2017年05月03日

[コミック] 諸星大二郎「暗黒神話」の完全版

諸星大二郎は少年ジャンプでデビュー作の「生物都市」読んで以来のファンだが、中でも初期の長編である「暗黒神話」は思い入れがある。
その暗黒神話が2014年に突如、完全版として雑誌連載を始めた時には驚くと同時に喜んだものだが、連載をまとめた単行本は気付いた時は、数量限定で出版され売り切れており、だいぶショックだった。
それがようやくこの春、集英社より出版となり、この連休にじっくりと一頁づつ新旧読み比べて見た。

暗黒神話 諸星大二郎 (集英社)
「完全版」という文字はないが、「完全版」をベースに加筆、書き下ろしを加えたものということで、これが最新版となる。

右が1977年の初版、左が今回の2017年のもの。
20170502os.jpg

本編の頁数は初版が185頁、2017年版は281頁で100頁ほど増えている。新たに追加された頁も多いが、コマ単位でも追加、変更がなされており、昔のコマの一部が書き換えられていたりもする(登場人物が増えたり入れ替わったりしている)。諸星氏の画風が40年経ってもあまり変わっていないので、さほど不自然さはない。
この手の完全版は、どうでもいいエピソードやカットが追加されただけというのもあるが、本作についてはそのような感じもない。もともと単行本一冊に納めるために連載を制限されたという話しもあるし、書けなかった部分を書き足したのだろう。初版では唐突に感じられた主人公の行動や、詳細を語られなかったエピソードが書かれているので、まさに完全版という感じである。

装丁の方も、グレーがかった紙に、もともと白黒2色の作品だったが、黒と銀のインクを使い分けるなど凝った作りとなっている。その分、価格も高めになっているので、ファンでなければソフトカバーの普通の装丁のものも欲しいかもしれない。
なお、初版と同内容の暗黒神話も販売されてはいるが、内容的にはやはりこの完全版を読んだ方がと思う。

それにしても40年を経て、完全版が読めるなんて思いもしなかったし、実に嬉しいことである。

9784086170901.jpg暗黒神話 諸星大二郎 (集英社文庫)
旧バージョンの暗黒神話

posted by TOYO at 01:24 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本・コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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