2017年06月18日

[SF] 小松左京の短編「アメリカの壁」

小松左京の短編SF小説「アメリカの壁」(1977年発表)が、今のトランプ政権のアメリカを予言してたとかで話題になっているらしい。そんな話しをネットで見かけた。

何度か書いているが、自分は小松左京のファンであり、ほとんどの小説は読んでいる。でも「アメリカの壁」は名前くらいしか記憶に残っていない。もちろん小松左京の短編小説は山のようにあるし、ほとんど読んだと言っても、全部覚えているわけではない。むしろ30年以上経って忘れてしまった方が多い。
気になるのでちょっと調べたら、「アメリカの壁」は1982年に文春文庫から出ているので、やはり読んでいる可能性が高い。同じ本に収録されている「眠りと旅と夢」「ハイネックの女」などは記憶に残っている。
いよいよ気になったので、Kindleで購入した。話題になったおかげか「アメリカの壁」だけで電子書籍で売られている。短編一つで買えるのも電子書籍の良いところだと思う。

q.jpgアメリカの壁 小松左京e-booksセレクション【文春e-Books】
小松左京(著)

面白いが60頁の短編なので小粒でもある。あと、印象に残りづらかったのは、アメリカが「壁」により世界から孤立するというアイデアが、すでに「物体O」 (1964年の作品)で読んでいたからだろう。こっちは、壁に遮断されるのは日本だが。
広大な地域が外の世界から孤立するアイデアは、この後「首都消失 」(1985年)でも使われるから、お気に入りだったのだろうか。だいたい10年おきだが、三作とも「***が世界から完全に遮断されたら」という設定が共通なだけで、内容的には全く別の作品ではある。

話しを「アメリカの壁」に戻すと、確かに今のアメリカを予言していたと言えなくもないが、むしろ70年代終り当時のアメリカの状況が今と近いのだろうと思う。このあと、80年代に入って日米の貿易摩擦だととか、スーパー301条だとか、日本車壊したりだとか、色々騒ぎがあったような気がする。

「アメリカの壁」は短編集もKindleで販売されているので、未読の人はこっちの方もお勧め。

ak2.jpgアメリカの壁 (文春文庫)
小松左京(著)
収録「眠りと旅と夢」「鳩啼時計」「幽霊屋敷」「おれの死体を探せ」「ハイネックの女」

posted by TOYO at 01:43 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 本・コミック | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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